うつわを通じて
海外の古い器のお直しもさせていただいています。
お直しをする際に、見た目ですぐにわかる割れやひび、そのほかにも壊れているところはないかと洗浄しながら細かく確認しますが、海外のお皿は日本のお皿とは違い、表面に細かいキズがたくさんあります。
それはお食事の際に使うナイフとフォークでできたキズです。
修復するうつわを通じて、様々な文化に触れることができることも私の楽しみの一つになっています。
こちらはフランスの古いお皿。
ご縁に恵まれて手元に届いた素敵なお皿。
2か所の割れを麦漆(強力粉+漆)で接着し、パーツがなくなってしまっている部分には錆漆(砥の粉+漆)というパテのようなもので埋めて補修。
全体的に細かいキズが多数あり、そこへ漆などが入りこんでしまうとなかなかきれいにするのは難しいので、事前に卵白で表面をコーティング。
上の写真は卵白の上に漆作業による汚れが付着している状態です。
接着と錆漆の作業が終わった後に表面の卵白を拭き取るときれいな状態に。
裏も隙間を錆漆で埋めて。
最後の作業をする前に器をきれいにします。
きれいになったら再度、他にひびや壊れているところがないか、何か見落としているところはないかと確認です。
さあ、作業も終盤です。
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